土器にかぶりつき! 千歳市埋蔵文化財センター

前回訪れたキウス周堤墓群をはじめとして、千歳市には300近い遺跡が存在するとのこと。
それらの遺跡から出土した遺物を保管しているのが千歳市埋蔵文化財センターです。
ここには一般向けに常設展示室が設けられ、縄文時代の貴重な土器・石器などをじっくり見ることができます。

旧長都小中学校の校舎を利用しているため、外観は学校そのもの。

壁には大きなレリーフが残されています。
 

早速、中に入ってみましょう。
現在、入場の際に検温と名前等の記入を求められます。
このご時世、しっかり対策がされているので安心ですね。
 

入場してすぐ左手が展示室です。

おそらく元は教室だったと思われますが、壁も照明も雰囲気のあるものにリニューアルされています。
本格的な博物館に引けを取らないムードです。
 

展示は、4つのテーマ、5つのコーナーで構成されています。
こちらは石器、土器が集められた部屋。
旧石器時代の石器、縄文時代~擦文時代の土器などが展示されています。
床の模様は、各時代ごとの住居の形と大きさを示すもの。

ところどころ粘土で修復された土器。
ガラスで遮られたりしていないので、細かい部分までじっくり見ることができます。

破片の一つ一つに数字が振られています。
このような破片を正しく組み合わせる作業は、さぞ大変だったろうと思われます。

複製品ではない実物を、ガラスケース越しでなく見られるのはここならでは。

大きなパネルによる説明文は、とてもわかりやすくて親切。
 

「こころの文化」をテーマにした展示室です。
動物を模した土偶や、死者へのとむらいのために用いられた道具などの展示があります。
 

有名な「動物形土製品」
これはレプリカです。
何の動物がモデルなのか確定してないようですが、頭部を見るとカモっぽく見えますね。
それにしても、縄文時代のアーティストはどうやってこんなセンスを磨いたのでしょう。


キウス周堤墓から見つかった石柱です。
下の赤い部分は墓穴の大きさと形を表しているようです。

墓石なのでしょうか。
重量感のある遺物です。
 
 

左は、ママチ遺跡から出土した「土面」です。これは方々で見かけるお顔ですね。残念ながらレプリカ。
耳のところに穴があり、紐を通して被ることができたらしい。
右は、「男性土偶」。たしかに股間に特徴的な突起があります。
土偶は女性がモデルのものが大半で、男性の土偶は珍しいとか。
 

「くらしの文化」をテーマにしたコーナーです。
壁面一杯に、貝塚の断面を再現した展示が。

 
 

この施設で一番大きな遺物、丸木船です。時代は比較的新しいですが、貴重です。
土中とはいえ、木製品がこのように完全に近い状態で残るとは驚きです。
 

キウス周堤墓群で見つかった土偶と土器の破片です。
 
 

それほど大きな展示スペースではありませんが、大変内容が濃く見ごたえがありました。
縄文時代の遺跡や土器などに興味があれば、幸せな時間が過ごせること請け合いです。
 
 

住所千歳市長都42-1
電話0123-24-4210
開室日月曜~金曜 毎月第2日曜日
見学時間午前9時~午後5時
見学料無料