厚別山本公園ビオトープでまさかのカイツブリ繁殖
2025年完成に向けて造成中の厚別山本公園。
パークゴルフ場は絶賛稼働中、人造池を中心としたビオトープも散策できるようになっています。
このビオトープ、このところ荒れ気味で、管理者も生態系の確立をあきらめて放置中なのかなと思っていました。
しかし、ここにきてカイツブリが池に定着。営巣してヒナも誕生したようです。
池に近づくと、どこからか“ピピピピ”という小さな鳴き声が。
ガマなどの植物が生い茂る池の端に水鳥の姿が見え隠れしています。望遠レンズを装着したカメラで覗くと、水鳥の正体はカイツブリとわかりました。そして、数羽のヒナが親鳥を追いかけまわしている様子が見えました。
すごい! こんな小さな池でカイツブリが繁殖していたとは!!
※カイツブリ ~ 北海道には4月ころ飛来し、10月くらいまでの間、池や川などで暮らし繁殖する水鳥です。ハトくらいの大きさで、マンガのようなビックリ目をしており、「ケケケケケーケッ」と奇怪な声で鳴く愉快な鳥です。
親鳥は盛んに水中に潜り、エサを捕らえて浮上します。ヒナは拙い泳ぎで親に追いすがり、大きく口を開けてエサをねだります。ヒナは4羽で、大きさに違いがあります。大きなヒナは孵化後半月くらい、小さなヒナは孵化後一週間くらいに見えます。
カイツブリの親は子育ての時期に、ヒナを背中に乗せて一緒に泳ぐ姿を見せてくれることがあります。
小さなヒナが親鳥の背中から顔を出しているところはとても可愛く、カイツブリ観察のだいご味なのですが、この親子はその時期を過ぎているようでした。
この小さな人工池に小魚がいるとも思えず、何を食べているのか不明です。
でもこうしてヒナたちが育っていることから、何かしら食べ物はあるのでしょう。
十分に食べ物を得て大きく育つことを願わずにはいられません。
一番大きなヒナがエサをもらおうと親鳥に近づく。
すると、親鳥は突然攻撃的になり、飛び掛かって追い払おうとします。
首をかまれて逃げるヒナ。困惑している様子です。
これはカイツブリの普通の行動。親鳥はヒナがある程度大きくなると、独り立ちを促すために攻撃します。
とても悲しいけれど、これがこの種の習性です。
だとしても、この追われているヒナは独り立ちさせるにはまだ小さい気がします。もしかすると、この池にエサとなる生きものが少ないため、イレギュラーな行動をとっているのかもしれません。
このビオトープはこれからどうなっていくのでしょうか。
生きものたちがもっと増えて、来年もカイツブリが子育てできる環境になって欲しいと思います。