巨木と野仏の庭~千古園

道道46号江別恵庭線沿い、野幌運動公園そばにあるのが千古園。
向かいには、ゆめちからテラス、野幌食の村があります。
外側からは、ただの雑木林に見えるので、つい通り過ぎてしまいそうです。
春には桜、秋には紅葉の見どころとして賑わう場所ですが、すっかり葉も落ちたこの時期は人影もなく、うら寂しい感じが素敵です。
 
 

“史跡 千古園” の石碑と由来を記した説明板があります。
 

ここは、野幌開拓の功労者である関矢孫左衛門翁の屋敷の一部を整備し、公園として残した場所です。
江別市指定文化財の第一号。
 
 

園内には、いたるところに巨木が生い茂っています。
そのどれもが相当な樹齢。
 

中でも、ひときわ目立つのが、このキタコブシ。
樹齢は推定180年!
奇怪なポーズで聳え立つさまは、どこか怪物的。
私はクトゥルフ的な何かを連想しましたよ。
太い枝が横に張り出し、肘のように折れ曲がって上に伸びています。
その枝は、自重で折れないように支柱で下から支えられています。
他にも樹木医による治療痕が見られ、痛々しいです。
長く生きると色々ガタが来るのは樹木も一緒のようで。
 
 

公園の外周に沿って石仏が立ち並んでいます。
千古園は札幌近郊では珍しい野仏スポットでもありました。
 

石仏ごしに東の田園地帯を眺めると、まるで江戸時代の街道に来たのかと錯覚します。
 

かわいらしくデフォルメされた仏様は、一体一体見比べてみるのも楽しい。
 
 

池と、ほとりに建つ茶室。
冬場は、涼しげというより寒々しいのが残念。
 
 

木立と石灯籠に囲まれた、どこか結界じみたエリア。
中央に石碑があり、“留魂”とあります。
関矢翁の髪や爪、愛用品などが埋葬されているそうです。
そのせいか、足を踏み入れるのを躊躇わせる雰囲気がありました。
夜になると、妖しい光を放つ精霊みたいなのが現れそうです。
そんなことは無いでしょうけど!
 
 

以上、冬の千古園をざっくりと紹介しました。
たくさんの巨木と立ち並ぶ石仏が、北海道では珍しい雰囲気を醸し出しています。
誰もいない冬の時期に立ち寄るのも楽しいスポットですよ。